立ち退き
かつてそこにあったもの。レティ先生の家(姪のマジョリー一家が暮らしていた)。以前パアラランの先生だったエデンの家。また別の先生の家も。90年代半ば頃か、娘さんが日本のトコロザワで働いていると言っていた一家。パアラランに通ってきていた子どもたちの家々。いくつかの豚小屋。数軒のサリサリストア。ゴミ山崩落惨事のあと、アメリカのNGOだったかハリウッドスターだったかの支援でつくられたという、デイケアセンターの立派なプール。緑の木々。ゴミのなかに捨てられていた赤ちゃんが、生きて発見されたけれどもすぐに死んで、その遺体を椰子の木の根もとに埋めたという椰子の木も。
残っている学校も、移転先の新しい校舎ができれば、壊される。
なつかしい建物。すこしずつの寄付で、雨漏りのする屋根をなおし、壁にペンキを塗り、水道をひき、電気をひき、給食のためのキッチンをつくり、採光の悪い窓に硝子を入れ、すこしずつすこしずつ、整えてきた小さな建物。毎年、100人から200人の子どもたちが通ってきていた学校。
ぽつんと残されている学校に、子どもたちは通ってきていて、クリスマス・パーティのダンスの練習をしている。
photos by Naoko O.
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